望月三起也氏が、平成28年4月3日に、ご逝去されました。
 漫画界の名匠が、また一人、お亡くなりになってしまいました。

「ワイルド7」 望月三起也 直筆サイン入り/直筆カラーイラスト色紙

 望月三起也氏の数多くの代表作の中でも、「最前線~二世部隊物語~」が大好きです。 「最前線~二世部隊物語~」の初出は少年画報(少年画報社)1963年10月号~1964年5月号なので、私はまだ生まれていません。出会いは、おそらく本屋さんか古本屋さんかなんかで単行本を見つけたのがきっかけだったと思います。
 「最前線~二世部隊物語~」は、実在した日系アメリカ人のみで編成された第442連隊戦闘団がモデルになっています。
 日本の真珠湾攻撃により開戦した太平洋戦争により、当時アメリカにいた日系人は、アメリカ国籍の有無にかかわらず、敵性国人として、財産を全て没収されたうえ、収容所に強制的に抑留されました。年老いた両親・幼い兄弟姉妹たちの名誉回復のために、アメリカへの忠誠を示すために、日系二世の若者たちは、アメリカ陸軍への入隊を自ら志願します。アメリカ陸軍は、日系二世のみの部隊を編成し、彼らを使い捨て兵士のごとく、ヨーロッパ戦線の激戦区に次々に投入していきます。彼らは、アメリカへの忠誠を誓うと同時に、日本人としての誇りを捨てずに、最前線の戦火をくぐり抜けていきます。
 初見時、小学生だった私には衝撃的な内容で、日系二世部隊にいたっては初めて知る史実でした。戦争の愚かさ、そして、命の尊さと平和の大切さを教えてもらった気がします。

最前線

 私事になりますが、2015年5月、望月三起也氏ご本人と「望月三起也 to 東北の背中押し隊」によるチャリティー企画で、「東日本大震災の被災地(者)支援チャリティーオークション」の出品作品を落札したご縁で、2015年11月発売の「ワイルド7-R(リターンズ)」第2巻に出演させていただきました。忘れられない一生の思い出です。

ワイルド7R-2

 望月先生は、2016年3月の産経新聞のガン告白のインタビュー記事の中で、「人生の締め切り」という言葉をおっしゃっていましたが、「締め切り」には間に合ったのでしょうか。
 きっと今頃、むこうで、先生は「ワイルド7」で殉職した世界・オヤブン・八百・ヘボピー・チャーシュー・両国らと「男の生き様」についてでも語っているのではないでしょうか。
 望月先生の描く、「男の生き様」は硬派でとってもカッコよかったですよ。

ご冥福をお祈りいたします。