複製原画ってなに

 インターネットオークション等で、複製原画と言われる商品を見かけることがあります。私的意見ですが、複製原画と言う表現は、紛らわしく誤解される可能性があるので、良い表現ではないと思ってます。複製の意味は「もとの物と同じ物を別に作ること」なので、複製原画は「原画と全く同じく別に作った原画」と言う意味になります。デジタル(PC書き)画は別としても、アナログ(手書き)画を手書きで全く同じく数枚作るなど不可能なので、当然ですがありえません。つまり複製原画とは「原画に限りなく近く似せて作った印刷画」であり、複製印刷(プリント・プレス)画のことです。一概に印刷画と言っても、印刷方法の違いによって、クオリティー(品質)が低い安価な印刷画から、原画の色彩・筆タッチなどアナログ原画を極めて忠実に再現したクオリティー(品質)が高い貴重な高価な印刷画まで様々です。複製原画に良く使用される代表的な印刷方法を記載しときますので、興味がある方はご自分で調べてみて下さい。
リトグラフ
シルクスクリーン
ジクレー(ジークレー/ジクリー)
ピエゾグラフ
私的意見ですが、複製原画と言う大雑把な表記ではなく、印刷方法を明記した〇〇〇画(例 : シルクスクリーン画)と表現すべきだと思ってます。

 複製原画にはエディションナンバー(限定番号)入り・原作者直筆サイン入りと言う表記を見かけることが多いと思います。印刷画は、油絵や水彩画などの一点ものの絵画より、いくらでも複製できるので希少価値は低くなります。そこで、印刷する枚数(エディション)を限定することで希少価値を高め、さらに原作者の直筆サインを入れることで真作的価値を保証するわけです。つまり限定特別印刷画と言うわけで、当然ですが印刷枚数が少ないほど希少価値は高まります。厳密には限定枚数の印刷終了後は、増刷を防止するために、印刷用版画は壊して破棄するそうです。エディションナンバーは〇〇/〇〇と表記されることが多いですが、たまにA.P.などのローマ字が表記されているものがあります。代表的な記号を記載しときます。
・A.P.(Artist's Proof : 原作者管理分)
・P.P.(Printer's Proof : 刷り師管理分)
・H.C.(Hors Commerce : 非売品)
これは限定枚数より数枚(エディション枚数の10%程度?)は確実に多く印刷されていることを意味しています。実際に私もA.P.表記の複製原画を一枚所有しています。このように限定枚数より多く印刷されていること、さらにそれらが市場に出回っていて売買されてることについて、みなさんはどう思いますか?

 エススタンプと言う言葉をご存じでしょうか?エススタンプとは、すでに故人である原作者の親族(著作権利者)に承諾を得て製作される複製原画のことを言います。エディションナンバー入り・直筆サイン入りの作品もあれば、ない作品もあります。直筆サイン入りとの表記があっても、当然原作者は故人のなので、誰のものかもわからないサインが直筆で入ってます。たとえエススタンプの複製原画であっても、親族(著作権利者)の承諾を得て製作された作品は真作です。

 複製原画の購入を検討されてる方は、購入前に最低でも次の事項を確認してみて下さい。
➀印刷方法は何か
②エディションナンバー(限定番号)入り・原作者直筆サイン入りかどうか
③保証書付きかどうか
  別途添付か、額縁の裏にシールされてます。
④エススタンプかどうか
以上の事項以外も良く調べ、納得の上(自己責任)で、購入することをお勧めします。

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